お米の洗い方で美味しいご飯
お米をとぐより洗う訳
今回はお米の美味しい洗い方について書いてみます。
日本食と言えばやっぱりご飯ですよね。
主役のおかずが毎回違ってもご飯は絶対に欠かせません。
今は昔よりご飯を食べなくなってきているといってもご飯が無い生活は考えられない人も多いと思います。
そんな毎日食べるご飯をより一層美味しくするためにお米の正しい洗い方を紹介します。
知ってるようで意外と知らないかもしれません。
まず材料はお米とお水です。道具に炊飯器の釜とザル。又はボールとザルを用意します。
釜のみで洗うよりザルを使って水切りをした方がより美味しくお米を洗えます。
洗うといってますが本当はとぎ方ですよね。
ですが、とぐというイメージより、サッと洗うイメージの方が現代のお米には合っているような気がするので洗い方で紹介します。
今は精米技術が発達してますので昔のようにお米をとぐイメージだとお米に過剰に刺激をあたえて美味しさを損なってしまう可能性があるからです。
お米の洗い方
では紹介していきます。
まず軽量をしっかりとすりきりで行って下さい。
これは当たり前の事ですが大事です。
この時計ったお米はザルに入れてください。
次にボールにお水を溜めます。これはお米が最初に吸うお水になるので一番大事なお水です。
実は炊くときに使うお水よりこの最初に吸わせるお水の方がお米自体に吸収されます。なので捨てるようでもったいないですが、美味しいお水を使うならここで使って下さい。ミネラルウォーターは軟水が良いです。
ボールに溜めたお水の中にお米を入れます。この時お水を濁さないように注意して、10秒程度お米にお水を吸収させます。
この10秒が大事で、長く吸収させてしまうとヌカ臭くなったりします。お水を濁しても同じようにヌカ臭くなります。なので溜めたお水を濁さないように一気に浸けます。
これはお米を洗う上で一番大事な要素です。
ちなみにボールにお米を入れて水道をひねって吸水させるとお水が濁る為ヌカ臭くなります。
ひと混ぜだけして次にザルに移して素早くお水を切ります。この時にザルを使わないとお水がしっかりと切れなくて次の洗米の時に水気が邪魔をして十分に洗えません。
水気が切れたらザルからボールへお米を戻して手を熊手のような形にして、軽い力で20回程度円を描くようにかき混ぜます。この時ザルの中で洗うとお米がひび割れやすいのでボールを使います。
次にお水を入れてお水を捨ててを2回程度繰り返してザルにまた移します。
お水が軽く透明になる程度で良いです。
また水気を切ったお米を今度は同じように10回程度円を描くようにかき混ぜます
又すすぎます。すすぎは2回くらいで十分です。またザルにあげます。
この時のお水が完全に透明になるくらいに洗ってしまうと、甘みの元となるデンプン質が流出している事になりますので美味しいご飯が炊けません。
少々濁ってても短時間で洗ったほうが美味しく炊けます。
これで洗いは終了です。1分から2分くらいで出来ると良いです。
とにかくスピード命です
あと出来上がりはお米が割れてない事が大事です。割れる場合は力が入っているか洗いすぎなので修正しましょう。
お米が割れてしまうと炊いた時に割れ目からでんぷん質が外に出てしまいベチャっとした炊き上がりになります。
そしてこの後お米を炊くんですけど、ザルにあげておく時間は長くて10分程度にして下さい。ザルにあげておく時間が長いとお米が割れてしまいます。
お米を水につけずに保存したい場合は洗ったお米をジップロックなどに入れて空気を軽く抜いて冷蔵庫に入れて下さい(洗い米)
ちなみに冬は寒いからと言って、お湯でお米を洗うと甘みが無くなりますので注意してください(水の温度が40度ぐらいから急激にお米のアミラーゼ酵素が働きはじめ、でんぷん質を麦芽糖に変化させます、そして麦芽糖(甘み)はお湯に溶けやすい為お米をすすぐ時に流れ出てしまいます)
お米をどの位お水に漬けるべきか、温度と時間
お米の洗い方は以上ですが、せっかくなので炊く前の吸水時間の説明もします。
お米の吸水時間は夏は30分冬は1時間などと基本的には言います。
この時夏が短くて冬が長いのか疑問に思った方いらっしゃいませんか?
それはなぜかと言うとお水の温度によってお米の吸水時間が変わるからです。
基本的に冷たいお水の方が吸水に時間がかかります。
では冬も夏のような温度で吸水させればいいじゃないと思う方もいらっしゃると思いますけど、吸水時間は短くなりますが深部まで水分が行き渡りません。
水温が低い方が時間はかかりますがお米の深部まで水分が行き渡ります。
ですから冬はふっくらとご飯が炊けます。
ということは冬は自然とお米が美味しく炊ける季節なんです。
ですので夏場は冷たいお水を使う事や、冷蔵庫で吸水させると美味しく炊き上がります。また芯まで吸水出来る事により冷めても硬くなりにくく美味しい状態が長持ちします。
冬の美味しいご飯を夏にも同じように炊く方法
夏場は炊くときもお水の温度を5度くらいの状態にして炊飯器のスイッチを入れると良いです。これはアミラーゼの酵素(デンプンを麦芽等(甘み)に変化させる)が40度~50度の時に最も活性化する事を利用する為です。
要はその温度帯をゆっくり通過させる為です。(お米には何種類もデンプンを糖質に分解する酵素があり活性温度が違います、60度まではバランスがまだ良いですけど70度にするともう一つが働きにくくなったりとなかなかベストな回答は難しいです)
そしてこの酵素が働く時間を長くするとアミノペクチンの構造を失う事により粘りが弱くなります。
分かりやすく言うと弱火で長時間炊くと甘くなるけどベチャっとなる訳です。
ただ強火すぎると酵素が働けず甘みが出て来にくくなります。
土鍋でご飯を炊くと美味しい訳
この為熱伝導が悪い土鍋でご飯を炊くとゆっくりと温度が上昇していく事でまずお米の甘みが出てきます。その後高温になると土鍋の中でお米が対流し一気に炊きあがります。
ですので土鍋でご飯を炊くと甘みがあり粘りもあるピンと立った美味しいご飯が炊けるわけです。
まあ基本的に皆さん炊飯器でご飯を炊くと思うので気にしなくて大丈夫です。
お米の吸水時間のベストとは?
次に吸水時間のベストは何分なのかという事なんですけど、これは基本的に好みです。炊飯器の性能も良くなってますので吸水無しでスイッチを入れても美味しく炊けます。
少しアルデンテっぽい仕上がりが好きな方は吸水時間無しがおススメです。
ただし、吸水時間が短いと保存した時に硬くなりやすいため、後から食べたりする場合はしっかりと吸水時間を設けた方が良いです。
また吸水時間が長ければ長いほど良いというわけでもないです。
水温が5度の場合は2時間でお米の吸水は限界になり、これ以上吸水する事はありません。夏場の水温に近い25度では1時間で限界になります。
この時水温が低いほど内部まで水分が行き渡ります。ですので吸水と言う意味では低温の方が良いです。
浸漬時間は2時間までで十分で2時間以上の吸水は意味が無いです。
意味がないといってもこれ以上浸積時間が長いとまたこれもベチャっとしたご飯が炊き上がる原因になるので長くても2時間までが理想ではあります。
夜にセットしたお米の炊きあがりがベチャっとするのはそういう理屈です。
まあこればっかりは柔らかいお米を美味しいと言う方もいれば、そうじゃ無い場合もあるので一概には言えません。
ちなみに僕は30分くらい浸漬したコシヒカリが好きです。
コシヒカリは甘みが強い品種で日本人に最も好まれている品種です。僕は少し硬めに炊いたご飯が好きなので水加減も少し少なめで炊いてます。
お米の芯までふっくら艶やかなご飯を目指すなら化学的には5℃のお水で2時間の浸漬が必要です。ちなみに1時間でかなりの吸水は終わってます。
炊きあがったご飯をもう一工夫で更においしく
あとは炊き上がったらお米を蒸らす(最近の炊飯器は蒸らし終わってからブザーが鳴るので気にしなくて良いです。)事が重要です。この蒸らしの最中に甘みも増加します。
次に炊き上がってからの一番大事な作業として、ブザーがなったらすぐにご飯の上下を入れ替えて下さい。
これで余分な水分も飛びムラのないご飯が出来上がります。15分以内が目安です。これを結構忘れがちですけどするとしないでは全く違います。
この後炊飯器は自動で保温するんですけど、この保温はご飯を劣化させるのであまりオススメはしません。冷めたらレンジで温めた方が美味しいです。
僕のオススメ炊飯器バーミキュラ
最後にオススメの炊飯器としてバーミキュラを紹介します。
長くなって来たので軽く紹介しますけど、バーミキュラを使うとご飯が本当に美味しく炊けます。そして冷めても美味しいご飯が炊けるのでオススメです。
バーミキュラライスポットでいつもご飯を炊いているんですけど、非常に良いです。
お値段が少々高いのがネックですが、他の調理にも使えてとても便利なので迷われてる方は購入されると良いと思います。
お米の洗い方を軽く紹介するつもりが長くなってしまいました。^^;
ではこの知識を利用して美味しいご飯を炊いて下さい。