美味しい煮込み料理の作り方
こんにちわ~京都の一乗寺でイタリアンバルを経営してる亀山です。
今日は美味しい煮込み料理の作り方を紹介します。(おもに野菜編)
その調理方法が美味しくない原因かも知れない
皆さんは普段煮込み料理を作る事はありますか、日本で定番の煮込み料理といえば、肉じゃがやカレーライス、シチューといったものになると思うんですけど、この煮込み料理を美味しく作るポイントを詳しく解説出来たらなと思ってます。
美味しい煮込み料理のポイントはしっかりと煮込むことだと思われがちですが、ものによっては案外そうでもないので説明していきます。
ちなみに僕が煮込み料理を作る上で意識してる事は、素材の味を出来るだけ引き出す事になります。
ではどうやったら素材の味を引き出す事が出来るかというと、それは出来るだけお水を使わずに火を通すことです。
食材の水分を使いゆっくり火を通してあげる事で素材の味を増幅させることができます。
このやり方を思いついてからは煮込み料理に使う野菜はほとんどこの方法を使ってます。
時間短縮したい時は圧力鍋で蒸して野菜に火を通す事もありますが、基本的にお水に浸して火を通すと水っぽく仕上がりやすいです。
ですから食材が固い内からお水を使って煮込む事は素材の味を流出させる原因になりますので1番NGな感じです。
お味噌汁やお鍋なんかは問題ないですけど、カレーなどでお肉と野菜を炒めてから、お水を入れて煮込む方法はあまりオススメはしません。これをやっちゃうと出来上がりが水っぽく仕上がりますし、野菜自体の味も気の抜けた感じになります。
まだ食材を炒めてからのお水なのでいきなりお水で煮込むよりは良い方なんですが、もっと美味しく作れる方法があるので紹介します。
ちなみに今回は野菜編という事でお肉の煮込み料理についてはまた別記事で書こうと思います。
プロが勧めるお肉を使った煮込み料理の作り方[永久保存版]これより詳しい説明は出来ません
素材の味を最大限に引き出す無水調理
僕がおすすめするその方法とはズバリ無水調理法です。
色々と僕も煮込み料理を調理法を変えて作ってみましたが、いわゆる無水調理が1番素材の味を引き出せるという結論になってます。
この無水調理の仕方なんですが、基本的には食材の水分のみで火を通す事が出来れば1番良いです。
とはいっても、お水なしでお野菜を煮込んでも焦げるだけなので少しのお水は使ってもらって大丈夫です。(バーミキュラやストウブなどの鋳物のお鍋、又は無水鍋を使えばよりお水の量を減らせます)
一番大事な煮込み料理の第一段階
では例として今回は大根、人参、じゃがいも、玉ねぎの煮込みを作るとします。まず蓋が出来るお鍋に油を少量引き、水分の多い大根、玉ねぎ、人参、じゃがいもの順でお野菜を並べます。
次にお水を少しだけ入れて、弱火でじっくりと火を入れていきます。大体2、30分くらいで火が入る火加減で食材に火を入れていきます。
この時何度も蓋を開けないようにするのがポイントですが、焦げ臭くなったり、焦げてしまうのはNGなので焦げないようにだけ注意して下さい。焦げそうな場合はお水が少なすぎるのでもうすこし入れてください。
これで火が入れば、煮込み料理の第一段階は完了です。
僕の煮込み料理の作り方は第一段階では煮込み料理なのにお水で煮ない訳です。
そしてこれが今回の一番のポイントになります。
これさえ出来れば食材の味を最大限に活かしたまま火を入れることに成功してる訳ですので、あとは適当に作っても大体美味しくできます。
調味料を時間差で使い味を塗り重ねていく
まあそうは言っても一応次の工程も説明しておきます。
次にお水や出汁を入れて料理のさしすせその順で調味料を入れていきます。
料理のさしすせその話はこちらに詳しく書いてますので、こっちを参考にして下さい。このさしすせそをキチンと時間などを考慮して使うことが和食の煮込み料理の美味しさの秘訣になります。
この時に入れる水分を少なめにする事で水っぽく無い味の詰まった煮込み料理ができます。これが2番目のポイントです。煮込み料理が美味しく無い原因のひとつに出汁や水分を入れすぎている問題があります。
いくら出汁とはいえ水分が多ければ多いほど水っぽく仕上がりますので、食材の量にあった水分量を入れて下さい。煮物関係は落し蓋で煮汁が回れば大丈夫です。
基本的に少ない調味料でしっかりと味を決めることが出来たら食材の出汁を十分に活かせてますので、より味わい深い料理に仕上がってるはずです。
あと煮物には味付けを徐々に付けていくことも大事です。
どうしても煮込んでいくと水分が減る訳ですので段々と味が濃ゆくなります。ですから最初から多めに調味料を入れてしまうと後からお水を加えて味を薄める必要があります。そしてお水で伸ばせば伸ばすほど食材の出汁が薄まり水っぽくなります。
ポイントとして、とにかく余分な水分を減らす事が煮込み料理では大事です。
また出汁や水分が少ないという事は調味料の使用量も当然減る訳ですので、家計にも優しくなって一石二鳥です。
そして煮込んでいきお好みの味になれば完成です。
煮込み料理は冷める時に味が染み込んでいく
煮込み料理は冷めていく時に食材に味が入っていきますので一旦冷ましてから、食べる時にもう一度あたためて(レンジでなくお鍋で)召し上がって頂けたら尚美味しいです。
レンジを使う場合は一気に熱が入りお肉などが固く収縮してしまう場合があるので注意してください。お肉が固くならなければ問題ないです。
またカレーなどを作る時は第一段階の柔らかくしたお野菜にお水やブイヨンをいれて沸かし、お肉を別で炒めて(野菜と一緒に無水調理でも良い)ルーを溶かして軽く煮るだけで完成します。
お野菜をお水で煮てないので、野菜ひとつひとつの味がしっかりと際立つカレーになるはずです。一口食べると人参食べたら人参の甘さが分かり、じゃがいも食べたら、じゃがいもの味を感じられるような感じです。
という事で僕の考える美味しい煮込み料理の作り方を紹介しました。
まとめ
まとめますと
- 僕の煮込み料理の作り方は食材の水分を使ってゆっくりと火を通し、その後時間差を使って調味料を使い味を入れていく方法です。
- こうする事により素材の持つ味を最大限に活かすことが出来、調味料の使用量も減らせて尚且つ美味しく作ることができます。弱火で調理する事で栄養素も壊れずに残っているはずです。(たぶん)
- また調味料を入れてからの煮込み時間はそれほど長くないので、長時間の煮込みをすると発生するどこを食べても同じ味になってしまう現象も無くなります。
- つまり食材のひとつひとつの味わいを残した煮込み料理ができる訳です。
という感じです。
いかがでしたか?ちょっと聞いたことのない料理の作り方だったかも知れないですけど、一度試して貰えると味の違いに気づけるはずです。
煮込み料理がどうしても美味しくできないと困ってる方や、もっと美味しく作りたいと思ってる方はぜひこの調理法にチャレンジしてみて下さい。
いつもとは違う色んな調理法を使って料理を作ってみるのも面白いですよ。
僕は京都の一乗寺でイタリアンバル、自分のお店クチーナカメヤマを経営しながらこのブログを書いてます。
このブログでは料理が上達するような考え方や、誰でも美味しく作れるかなり詳しいレシピも紹介してますので、もし良かったら見てください。
飲食店の経営ノウハウも紹介してます。
少しでも飲食店の方のお力になれたらなと思う事と、読むだけで料理を作る事をもっと好きになって尚且つ勝手に上達していくようなブログになればと思ってますのでよろしくお願いします。