客単価を意識することで売り上げを安定させる
今回は飲食店を経営してく上で大事な考え方、
お客さんの単価すなわち客単価について書いていきます。
客単価の計算の仕方
ではまずは基本的なことですけど、飲食店の売り上げってどういう計算で出てくるのかを紹介します。
1日の売り上げは
1日の来店客数✖️客単価ですね。
めっちゃ当たり前のことですけど、売り上げはこうやって出ます。
ですから飲食店の売り上げを上げるためには客単価をあげるか、客数を増やすしか方法はありません。
もちろんテイクアウトなども客数にカウントして下さい。
ただややこしくなるのでテイクアウトはここでは置いときます。
ちょっと違う考え方としては席数✖️0、8✖️客単価✖️回転率なんかもあります。
ランチタイムやラーメン屋さんなどの回転率が高い時はこの考え方です。
客単価によって変わる目標売上に必要なお客さんの数
僕は10坪くらいの小さなお店を経営するのをオススメしてますので、ここからちょっと10坪のお店を開業するとして、売り上げのシュミレーションをしていきます。
広さ10坪、家賃10万円と仮定します。
そうするとざっくりですが家賃の10倍が一応基準となる売り上げの目安ですので10万円の10倍の100万円を毎月目指すとします。
この時家族経営かどうかや原価率等で支出は変わり利益は変動するのであくまで目安ですけど参考にして下さい。
次に週に一回休みを入れるとして25日営業と仮定します。
100万円の売り上げを25日で出そうと思うと、1日平均4万円になります。
4✖️25は100ですからね。
それで1日4万円を来店客数✖️客単価で考えるので1日お客さんが何人来たら良いのかを考えます。
この時、座席数を13席としておきます。
13席にすると大体7割から8割の10人前後が一回のマックスの入り方になります。
ここでは計算を分かりやすくするために10人にしてます。
もっと席数が多いお店は数を増やして考えて下さい。
ちなみに僕のお店は10坪13席です。
もう少し席数を増やすことは可能ですが料理に時間がかかるものが多いのでこの席数に落ち着きました。ただし補助イスを別に用意してイレギュラーな来店にも対応してます。
1日の来店客数が10人の場合は1人当たり4000円のお客さんが来店してくれたらそれだけで毎日4万円の売上が上がります。
これが売り上げの基本的な考え方です。
この時客単価が2000円の場合は2回転が必要で20人のお客さんが毎日必要です。
もっと安いラーメン屋さんなんかはセット物とかドリンクなどの注文があると考慮して客単価1000円だとしたら40人の来店が必要です。
これがカフェなどの客単価が700円くらいだと60人くらいのお客さんが必要です。
テイクアウトが無かった場合は6回転しないと無理な訳です。
逆に客単価が8000円だとすると5人で目標売り上げ達成ですし、客単価が一万円だと4人、2万円だと2人で目標達成です。
客単価が高い店と低い店の違いとは
あたりまえですけど客単価が高ければ目標売上に達するまでの人数は少なくなります。
ですから一人当たりの客単価の高い高級店は流行ってなくても結構利益が上がったりするんです。
逆にカフェはめちゃめちゃお客さんが一杯いてもそこまで売り上げは上がってなかったりします。
カフェ経営の原価率は安いので損益分岐点を超えてくると一気に利益が増えたりもしますが、損益分岐点まで行くのにお客さんが大量に必要なのが結構大変なのがわかると思います。
ちなみに僕はカフェ経営はかなり難しいと思ってます。
という事もあって客単価が低いカフェやラーメン屋さん、定食屋さんはお客さんが入ってないとすぐに経営が傾きます。
お客さんの数が多いボリュームゾーンとおすすめ客単価
そして次にお客さんのボリュームゾーンというのがあります。
場所にもよりますが一回の食事に使える金額が一人当たり1000円の人が多いのか、2000円の人が多いのか、3000円の人が多いのか、4000円の人が多いのか5000円以上が多いのかで開業するお店を考える必要があります。
もちろん客単価が高い方がお客さんが入ったら儲かるんですけど自分のお店が相場より値段が高い場合は見込み客の数は減ります。
そして安くなるにつれて、マーケットは広がっていきます。
逆に客単価が高くなればなるほど、回転率は下がりますので時間経過による回転率は考えなくて良いんですけど、高級店ほどライバルが強くなる傾向がありますので高い料理技術が必要となってきます。
僕のオススメする10坪経営では一回の満席で売上目標達成できる4000円当たりの客単価があると回転率や入れ替え等を考えなくていいのでそこをオススメしてます。
ちなみに僕の場合はお昼の売り上げが少しあるのでもうすこし客単価を下げて、マーケットを広くして経営してます。
そして3000円くらいの客単価だと大学生が料理を作ってるお店がライバルだったりするので、比較的ライバルは強豪店では無くなります。
ただしライバル店の数は多いので埋もれてしまわないように注意が必要です。
ちなみに客数が増えれば増えるほど、人件費等も余分にかかってきますので、小さいお店で尚且つ高単価が1番潰れない飲食店になると思います。(お客さんが入ればの話ですが)
一人当たり1万円超えの客単価だと、お昼も3000円程度で営業する場合は10席ほどあれば300万円近く売り上げを上げることも可能です。
これをカフェで実現しようと思うと客単価1000円だとしても毎日営業で1日100人、10席の場合だと10回転しないといけない訳ですので実現するには滞在時間1時間で常に満席、10時間営業となり、まず不可能なのが分かると思います。
まあちょっと極端過ぎる考えですけど、客単価が低い場合は席数又は回転率が必要です。
そして飲食店の場合はお客さんの飲食需要が高い時間がありますので(お昼の12時とか夜の6時、7時とかです。)
ほとんどのお店がピークタイム以外に何度もお客さんを断る事はあまりありません。
ということはその時間である程度の売り上げを確保出来ない場合は経営がしんどい訳です。
だからこそその時間だけ忙しければ経営が成り立つ4000円ぐらいがオススメです。
「客単価が安ければ忙しそうなのに何であの店潰れたの??」
なんて言われるお店を作ってしまう場合もあります。
ですから料理技術があれば出来るだけ高単価にする方が経営的に安定する訳です。
ただしお客さんの舌が肥えていたり、常に成長が求められるのが高単価のお店だったりしますので繁盛店にするのはかなりの技術が必要です。
ですが高単価のお店が損益分岐点売り上げを達成するためにランチも営業するとなると客数が少なくても目標売上に到達します。
安定してお客さんが入らないと食材のロスがあるのでそこらへんは難しいですけど、客単価を上げる作戦は調理技術があればおススメです。
といった感じが客単価で見た10坪の経営シュミレーションです。
客単価を下げて席数を増やす方法もあります
この時ぎゅうぎゅうにお客さんを詰めた10坪20席のお店を作り、客単価を2000円ぐらいに下げる方法もあります。
席数も多くなるので回転率は見込めますが、かなり狭いのとスタッフの数も多くないとうまくお店がまわらないので暇なお店になってしまうとすぐに経営が傾きやすいです。
また料理もスピード命という感じの物を用意する必要があります。
しかしお客さんの数は多くなるので人気店になれば利益が沢山出る営業形態です。
たまにある10坪300万円売る超繁盛店のお店も席数多めに確保してます。
客単価を安めに設定することで通いやすいお店プラス幅広い客層を掴める方法で人が溢れる駅周辺で流行るタイプのお店ですね。
ちなみに僕が考える出来るだけ楽に経営出来るのは3000円~5000円くらいの客単価のお店になります。
僕は暇でも潰れないお店を目指してますので、そこそこでやっていけるお店を作ってます。
ちなみに客単価が3000円以下だと回転率が必要なので、忙しくないと経営が成り立たずお客さんの数もスタッフも必要です。
そして逆に5000円を超えてくるとなかなか限られたお客さんしか通えなくなってしまいます。(場所によりますが)もちろんそれだけの技術があれば潰れる事とは無縁のお店が出来上がる筈です。
繁華街は5000円以上でもマーケットが広いのでオススメできますが、住宅街になりますとマーケットが狭く何度も同じお客さんに通ってもらう事が大事になってきますので限られたお客さんを相手にするか、幅広く宣伝をする必要があります。
ちなみに1000円以下の業態でしたら、ラーメン屋さんがオススメです。
ラーメン屋さんはライバルが多く競争が激しい業界ですが、抜きに出たラーメンさえ作れればマーケットが広く回転率も高いので結構な利益を生むことができます。
間違いなく、カフェや定食屋さんより行列が出来るのがラーメン屋さんです。
但し強力なライバル店を出し抜かなければそこまで利益が出る業態ではないです。
潰れるお店も多いです。客単価が低いですからね。
1番うまいラーメンを作れば大儲け出来る!!
それがラーメン屋さんの魅力です。
まあ飲食店で簡単なジャンルはなかなか無いです。
やりたいジャンルがあっても先に似たようなお店があるだけで難易度は上がりますし、先に開業して利益を出していても近くに同ジャンルのお店が出来れば話は変わります。
客単価の簡単なまとめ
色々と書いたので簡単にまとめます。
- まず客単価が低い場合は回転率と客数が必要です。
- 高単価の場合は少しのお客さんでも経営できるが技術がかなり必要です。
- あいだの3000円~5000円までの客単価のお店はライバルは多いがちゃんと認知されれば比較的楽に経営出来るといった感じです。
僕のオススメの考え方は一回満席、又は半分くらい席が埋まれば経営していける客単価で勝負することです。
そして10坪程度なら損益分岐点売り上げも低いですので目標達成までに必要なお客さんの数も減り、人件費も減り、仕込みの量も減りますので比較的楽に経営できます。
どうしても暇な日と忙しい日があるのが飲食店ですので、常に忙しくないとやっていけないお店は厳しいようですが人気が出ないと潰れるのも早いと思ってください。
理想的な客単価に持っていく単品の値段設定
ちなみに客単価が500円違うだけでお客さんの層は変わっていきます。
思ってるよりお客さんの客単価のイメージはシビアです。
1000円のランチと1500円のランチは全く客層が違いますからね。
夜の単品でも300円のメニューと500円メニュー、700円メニュー、1000円メニューのどれが多いかでお客さんの受けるイメージは変わってきます。
飲み放題のコース料理も500円違うだけで全く違います。
レストランのコースだと値段の幅が広がりますが3000円と5000円、7000円、一万円とで全く違う客層になります。
この時単品よりコース料理の方が客単価は高く設定できます。
コース料理の場合はこれがナンボでこれがナンボなんて事はイチイチお客さんは考えないので、単純に値段分と同等かそれ以上に満足感があれば大丈夫です。
単品の場合は当たり前ですけどお客さんの注文数によって変動します。
ひとつひとつの料理のボリューム等の要素があるので一概に言えないですけど、
大体単品の中心価格✖️5~6倍(お酒を飲む場合)が客単価になります。
お酒を飲まない場合、もしくわ一杯だけの場合は単品の中心価格✖️3~4倍が客単価になりやすいです。
大体2人でお客さんが来店すると6品~10品(ドリンク入れて)の注文が多いのでそのぐらいで単品の値段を調節して下さい。
もちろん平均客単価が大事ですので2人で一万円使うお客さんと2人で6千円使うお客さんがいたら、
16000円÷4=4000円で客単価は4千円のお店になります。
こんな感じが客単価の考え方です。
客単価は少しでも高い方がお客さんが来てくれれば経営的には良いです。
ちょっと長くなってきましたが今の時代は、気軽に外食よりたまには美味しいものを食べに行こう需要が高まってますので、少しの贅沢感があった方が僕は良いと思います。
ではあなたのお店が長く続くことを願ってます。
このブログでは飲食店開業や飲食店を経営されてる人のお手伝いが出来たらと思ってます。