個人でラーメン屋さんを開業する前に
個人でラーメン屋さんを開業しようと思うけど、どうして良いか分からない。そんなお悩みありませんか?
今回は飲食店を経営している立場からどんな風にラーメン屋さんを開業したら上手くいくのかについて書いていきます。
まず結論から言うとラーメン屋さんは当たればデカイですけど、お客さんが入らないとかなり経営していくのが難しいジャンルです。
ラーメン屋さんを経営する方はこの事を常に頭に入れておいてください。
そのぐらいラーメン屋さんはお客さんの数が必要な商売です。
個人でラーメン屋さんを開業する時に覚えておくと良い事
テクニックその1 席数を減らして行列をあえて作る
まず流行っているラーメン屋さんの特徴が何かご存知ですか?
えっそんなこと言われてもラーメン屋さんなんて色々あるから、全部同じ特徴がある訳ないでしょって思いました?
もちろん味やお店の形態などは様々なんですけど、実は流行ってるお店の共通点はあります。
それは何かと言うと、店外にお客さんの行列を作らせることです。
えっ何言ってんの?
流行ってるから行列ができるんでしょ?って思ってませんか?
これは半分本当で半分嘘です。
というのも店外に行列が出来るお店は狭いお店が多いんです。
しかも狙って狭いお店を作ってます。
ですから店内を狭くしてすぐに満席にして、尚且つお客さんに待ってもらう時も、店内で待ってもらうんではなくてあえて外に並んでもらいます。
またラーメンを提供する時もまとめていっぺんに作るのでは無くて、1組ごとに作ったりもします。(お店によります)
こうする事であえて回転率を下げて常に店外にお客さんを並ばせておくようにするお店もあります。
そうしてラーメン屋さんを通る通行人にあのお店はいつも流行ってるからきっと良いお店に違いないという勘違いをさせるんです。
これが流行るラーメン屋さんのひとつのテクニックです。
テクニックその2 食べログやGoogleの評価が高い
これもラーメン屋さんあるあるなんですけど、ラーメン屋さんは食べログやGoogleのクチコミ件数が他のジャンルに比べて圧倒的に多いです。
というのもラーメンは自称ラーメン通みたいな人が多いので、どんなラーメン屋さんでも有る事無い事色んな事をクチコミに書かれます。
ですので正直自分の好みに合わないお店でも高評価のお店はかなりお客さんが入ります。
このお店よりあっちのお店の方が美味しいのにここの方が流行ってるなんて事ありますせんか?
そういうのは大体クチコミ評価に開きがある場合ですね。
ですから美味しいラーメンを作ることも大事なんですけど、商売的に見たらラーメン通を唸らせるラーメンを作った方がお客さんが増えます。
そしてこのラーメン通の人達はこだわってるお店や特徴的なお店を好みます。
つまりクチコミ評価を上げる為に必要な事は特徴的なお店を作って熱狂的なな信者さんを作る事です。
ラーメン〇郎なんかは熱狂的なファンに支えられてますよね。
そういったお店を作る事で評価の高いラーメン屋さんが作れます。
ひとつクチコミの評価をあげるテクニックを紹介すると大事なのが接客サービスです。
いくらラーメンが美味しくても接客が悪いと評価はガタ落ちです。
この接客が良いだけでクチコミ評価は良くなりますので、気持ちの良い接客を目指しましょう。
テクニックその3 自分のラーメンに虜にさせる
次のテクニックは自分のラーメンに虜にさせるです。
ラーメンは国民食と言われるぐらい日本人の生活に根付いた料理ですから、外食でも食べる頻度が多いジャンルです。
そして自分の好みのラーメン屋さんが誰でも2、3軒はあると言っても過言じゃないのがラーメン屋さんですよね。
そしてその1店舗になる事が出来れば定期的に来店してくれるお客さんを確保できます。
まあこれは理想論ですのでなかなか難しいと思われがちですけど、僕はそうは思いません。
というのも同じラーメン屋さんに行っても味がブレブレのお店が正直多いです。
ですのでラーメンを一杯一杯丁寧に作るだけで、いつ行っても美味しいラーメン屋さんを作ることができます。
この当たり前ができるラーメン屋さんはなかなか少ないので、(ラーメンも作る人によって味が変わります)個人で開業される方は一杯のラーメンを丁寧に作ることを心がけてください。
またこれはあまりオススメはしないテクニックですけど、人間の味覚を刺激するテクニックもあります。
そのテクニックは何かと言うと人間が本能的に美味しいと思ってしまう塩と、脂、砂糖を大量に使ってラーメンを作る事です。
もちろんバランスが悪ければ問題外になりますけど、この3つを上手く使うと中毒性が高い本能的に欲してしまうラーメンが出来上がります。
よく言うある程度期間が経つと無性に食べたくなるラーメンですね。
食べてるとそんなに美味しいと思わないのに、定期的に通ってしまうラーメン屋さんってないですか?
そこがこってり系のラーメンだとしたらそれは中毒症状が出てると言っていいと思います。
またカップラーメンや甘いものが無性に食べたくなるのも中毒症状の一種です。
あまりオススメはしない方法ですけど、ウドンや蕎麦が無性に食べたくならないのはそういうことです。
あっさりした昆布やカツオのスープはいくら美味しくても中毒性は低いです。
テクニックその4 自家製麺を作る
次のテクニックは自家製麺を作ることです。
これがなぜオススメかというと、自家製麺というだけでまずラーメン通の評価が上がります。
また自家製麺を作ることで自分のスープに合った麺を作ることができます。
さらに自家製麺を使えば原価が下がりますので、利益率が高くなります。
ですから一杯あたりの原価がこだわってしまうとかなり高騰してしまいます。
こだわりながらも原価を落としてくれる自家製麺はかなりオススメです。
但し毎日麺を作る手間がありますので覚悟は必要です。
テクニックその5 地域の特性を考えてお店を出す。
次のテクニックは出店場所になるんですけど、この出店場所でラーメン屋さんはかなり状況が変わってきます。
というのも週末や繁盛店になれば別ですけど、基本的に地域の人や職場近く、通勤ルートにあるラーメン屋さんが良く通うラーメン屋さんになります。
ですから豚骨ラーメンを求めているお客さんが多い地域で味噌ラーメンを売ろうとしても流行りません。
その地域の人が食べにきますからね。
逆に豚骨ラーメン激戦区で豚骨ラーメンを売ろうとするのもかなり厳しいです。
詳しくいうと、マーケットとは潜在需要です。つまりラーメンを食べたい人です。
まずこのラーメンが食べたい人が多い地域が出店場所として望ましいです。
次にライバルが弱いのも出店場所として大事な要素です。
当たり前ですけど、めちゃくちゃ美味しいラーメン屋さんの近くにラーメン屋さんを作ってもお客さんは入りません。
これは結構勘違いしてしまう人が多いんですけど、あそこが流行ってるからここも流行るだろうは危険です。
というのもお客さんの心理として流行ってるお店には入りたいですけど、流行ってる近くのガラガラのお店って入りたく無いですからね。
どう見たって流行ってるお店は美味しいから並んでると思ってしまいます。ですからその近くにガラガラのお店があったら美味しく無いからガラガラなんだと勘違いをします。
また豚骨ラーメン激戦区で豚骨ラーメンを売るのが難しいのはライバルが強力な可能性が高いからです。
激戦区と言われてる場所は需要はかなりあるので、マーケットとしては申し分無いですがライバルが強力な場合がほとんどです。
そういったところに出店する場合は何処かで有名になってから出店するなど、ブランド力を高めてから挑戦するのが賢明です。
美味しいラーメンを探すお客さんより、人気のラーメンを食べたがるお客さんの方が多いのでブランド力は大事です。
一般的にはいくら需要があってもライバルが強力な場合は勝負を避けた方が無難です。
テクニックその6 とにかく美味いオーソドックスなラーメンを作る
次のテクニックは味を極めるシンプルな考え方です。
袋入りのラーメンを見たら分かるんですけど、一般的に売れ筋の商品は醤油、味噌、塩、豚骨です。
ですからこのオーソドックスのラーメンが1番需要があるわけです。
そしてオーソドックスで需要があるラーメンの良いところは地域性や客層を選ばない事です。
そんな時は原点に戻ってシンプルなラーメンを極めてしまうのも一つの手です。
誰でも好きなオーソドックスなラーメンも極めていけばここでしか食べれない特別なラーメンになります。
ちなみに一杯当たりの製造原価は味噌ラーメンが一番高く原価がかかるラーメンで、とんこつラーメンが一番安く原価がかからないラーメンと言われてます。
ここで大事なことは自分が作りたいラーメンを優先しないことです。飲食業は客商売です。
ですからいくら自分が美味しいと思ってもお客さんが満足しなければ、2回、3回と通ってもらうことは難しいです。
このリピーターがなければ飲食業はどのジャンルでも上手くいかない可能性が高くなりますので、お客さんが食べて美味しいと思い、また食べたくなるラーメンを作ることが大前提です。
テクニックその7 高齢者に向けたラーメンを開発する
次のテクニックは高齢者が食べたくなるラーメンを作る事です。
一般的にラーメンは若者の食べ物で、塩分や脂分が多いので高齢者になればなるほど避けてしまいがちな料理です。
ですがこれから高齢化社会が進んでいきますので、田舎などにあるラーメン屋さんはお客さんのターゲット層を広げておくのも一つの手です。
実際僕の田舎にあるラーメン屋さんで面白い工夫をして高齢者の方にも喜んでもらえるラーメンがあるので紹介します。
僕の田舎は島根県なんですが、島根県は高齢者の比率が日本一高い県です。
そこで流行ってるラーメンがあごだしラーメンです。
あごとはトビウオの事です。島根県はトビウオが有名でしてそのかまぼこ、あご野焼きが名物になる地域です。
そのトビウオの出汁で作ったラーメンがあごだしラーメンです。
鶏ガラや豚骨といった動物系の出汁じゃなく、魚介系の出汁だけででラーメンを作る事であっさりとしたラーメンが作れます。
こういったラーメンは若者から高齢者まで、様々な世代に人気ですから人口が少ない田舎でも需要があるラーメン屋さんになります。
これによく似たラーメンでシジミラーメン、あさりラーメン、鯛出汁ラーメン、マグロぶしラーメン、エビラーメンなんてものもあります。
また野菜をたっぷり入れた優しい味のラーメンも需要があると思います。
テクニックその8 ご当地ラーメンを作って観光客に食べてもらう
次のテクニックは観光客向けにラーメンを開発するテクニックです。
意外に観光客はその土地のラーメンを食べたがるので、ご当地ラーメンが無い地域では自分でご当地ラーメンなんてものを開発するのもひとつの手です。
先程紹介したあごだしラーメンやシジミラーメンも島根県の名物で出汁を取ったご当地ラーメンです。
こういったラーメンは観光客にも人気のラーメンですので、もし出店する場所が観光地ならご当地ラーメンで攻めてみるのもひとつの手ですね。
ただご当地ラーメンは一回食べて終わりな側面もありますので、地域の人でもまた食べたいと思うご当地ラーメンを考えてください。
そうしないとただの一発屋になります。
テクニックその8 駐車場を用意する
次のテクニックは駐車場を用意する事です。全然ラーメンと関係ないやんと思うかもしれませんが大有りです。
というのもラーメン屋さんは客単価が低いジャンルなので、ラーメン一杯の為にコインパーキングに車を止めるお客さんは少ないです。
ですから駐車場が無いラーメン屋さんは地域の限られたお客さん限定になってしまいます。
この時駐車場があるラーメン屋さんは車を運転するお客さんに通ってもらえる可能性が高まりますので、商圏が広がります。
駐車場があるだけでおっ新しいラーメン屋だ!!ちょっと食べてみようかな!という風に来店ハードルが下がります。
テクニックその9 サイドメニューを充実させる
これも一般的なラーメン屋さんのテクニックですけど、サイドメニューを充実させる事で売り上げアップを狙います。
当たり前ですけど、ラーメン一杯より色々と注文してもらった方が儲かります。
ですがこの時注意しないといけないのは手間をキチンと考えておくことです。
サイドメニューを充実させるのは良いですけど、特に自家製餃子をする場合は結構大変なので注意して下さい。
なぜ自家製餃子は大変かというと、まず自家製餃子を作る手間があります。その次に焼く手間がかかります。
そして何より餃子は焼くのに結構時間がかかるので、ラーメンが出来ても餃子がまだ焼けてないなんて事が起こりやすいです。
そうするとお客さんが入ってきても順番にラーメンを提供するのが当たり前ですから、次のラーメンが作れません。
もしくわラーメンだけお出しして、餃子は食べ終わる頃に提供するなんて事になりかねません。
それにあまり餃子が出ないからといって餃子を焼く鍋の火を落としておくと焼くのにますます時間がかかります。忘れると焦げますしね。^^;
また一度作った餃子は時間が経つと水分が出て皮がベチャっとするので、出来上がりにムラができます。
こういったデメリットが多いのが餃子です。
やはり餃子は包みたてが1番美味しいので、作り置きせずその場で包むのが1番なんですけど忙しいとそれも難しいですよね。
ですから僕が思うサイドメニューは基本的に揚げ物が中心です。
そうはいっても餃子を提供したい!!なんて場合は水餃子をお勧めします。
水餃子は仕込んでしまえば冷凍も出来ますので、オーダーが入っても茹でるだけです。
これなら手間もかからず、いつでも同じクオリティの商品が提供出来ますのでオススメです。
またこれはサイドメニューではないですけど、豪華なラーメンを作るのもひとつの手です。
ご褒美ラーメン的なのをひとつメニューに載せておくとたまに注文が入ります。
これは難しいことをしなくて、煮卵、海苔、チャーシューなどのトッピングメニューを沢山乗せるだけで完成です。
豪かなラーメンって良くありますよね!こういったメニューで客単価をあげることも出来ますので、簡単に出来るサイドメニューを考えてみてください。
テクニックその10 一人で営業する
次のテクニックは一人で営業できるお店を作る事です。
これもラーメンとは違いますけど、お店を開業する時に1番大切な事はお店を潰さない事です。
そうならないためにも僕は儲かるより潰れないお店を作る事をオススメしています。
そこで経費の大部分を占める人件費を出来るだけ無くすことが出来る、一人営業や家族経営がオススメになる訳です。
一人で営業するラーメン屋さんの場合、カウンター主体にして券売機を導入すれば頑張ればなんとか営業できます。
こちらに一人で開業する記事も書いてますのでよかったら見てください。
飲食店をひとりで営業する注意と対策。対策さえできれば究極の飲食店の完成です
また開業前でしたらブログを始めるのにも最適です。
飲食店にブログを導入してお客さんを集客してみよう!開業前の方は今がチャンスだと気付けますよ!!
こういった感じが僕が考える個人で開業するラーメン屋さんの経営学です。
いかがでしたか?少しは参考になる部分もありました?
ラーメン屋さんを開業する前に勉強しておこう
ラーメン屋さんを開業すると一年で40%のお店が廃業します。さらに3年で70%のお店がなくなります。
こういった現実がラーメン店開業の難しさを物語っていますので、そうならない為にも勉強しときましょう。
廃業することを考えたら本を買うことは少額の投資です。
絶対はないんですけど、上手くいく確率を上げることができるのがラーメン修行や経営の勉強です。
少しでも確率あげましょう!!
こういった感じがラーメン屋さんを個人で開業する時に知っておいた方が良いことですね。
とにかく開業するなら勉強しときましょう!!
絶対に自分を助けてくれますよ!!
個人でらーめん屋さんを開業する戦略一覧
個人でラーメン屋さんを開業する時に覚えておいた方が良いこと
●その1 席数を減らしてワザと行列を作る
●その2 食べログやGoogleのクチコミの評価を上げる努力をする
●その3 お客さんが虜になるラーメンを作る
●その4 自家製麺を作る
●その5 地域の特性を考えてお店を出す
●その6 とにかく上手いオーソドックスなラーメンを作る
●その7 高齢者に向けたラーメンを作る
●その8 駐車場を用意する
●その9 サイドメニューを充実させる
●その10 一人で営業する
自分の可能性を少しでも上げる為に本を読んでその道のプロのノウハウを勉強しましょう!
知識は武器です。武器が多い方が戦場では有利になります。
現実問題として半分以上のお店が潰れてしまうのが現状ですので、他の人と同じような努力をしていても上手くいかないと思って下さい。
こんな感じです。
ps、サクッと書くつもりがなんだか長くなりました^^;
ここまで書いたことを実践すれば少しは上手くいく可能性が上がります。
読んで満足する人と行動する人で未来は大きく変わりますので、行動して良い方向に未来を変えていきましょう!!
このブログでは飲食業に携わる人や、飲食店を開業される方を応援しています。