間違えがちなランチの価格設定
昔はランチタイムが忙しかったのに段々と暇になってきた。
そんな傾向を感じてませんか?
客層によって変えるべきランチの価格設定
実はランチタイムの飲食需要の低下はコンビニなどのお弁当が原因と言われています。
というのも飲食店の利用といえば、日常的な使い方と非日常的な使い方の2通りがあります。
毎日のように使うのが日常的で、たまに使うのが非日常的です。会社員の方がお昼ご飯を飲食店に食べにいくというのは、日常の外食になる訳です 。
それが最近は不景気の影響もあり、お小遣いが少なくなってきたりして外食より安価で手軽に買えるコンビニ弁当を買うお客さんも増えてきました。
またもっといえばコンビニ弁当を買わずに自宅からお弁当を持ってくる会社員の方も増えた訳です。
コンビニの弁当の価格といえば大体500円前後ですから、それだけで飲食店は価格で負けています。
当然日常的な使い方の特徴として値段にシビアになってくるという傾向があります。毎日食べる訳ですからそんなに贅沢もしなくていいし、コンビニで十分だったりする訳です。
そんなサラリーマンにはシビアになってきているランチ価格ですが、ランチの価格帯は僕は4種類に分類されると思ってます。
- 1つ目が500円前後のコンビニ価格。
- 2つ目が1000円前後の一般的な価格。
- 3つ目が1500円~3000円までのお食事会価格。
- 4つ目が3000円以上のリッチ価格。
この4種類のどこのお客さんに来てもらいたいかで、ランチの価格を決めると良いと思います。
まず日常的に使ってもらうにはコンビニ価格と、一般的な価格(1300円までぐらい)が妥当だと思います。そして旅行や記念日、奥さま同士、団体様のお食事会や高級店の利用など非日常として使ってもらいたいなら、1500円以上になってきます。
この非日常の飲食利用の場合は価格にそこまでシビアではありません。
しっかりとしたお店ならお値段が高い方が喜ばれる事もあるので料理の質にあったお値段をキチンと頂いて大丈夫だと思います。
そして今回このブログで伝えたい事はこの日常的に使ってもらうお客さんの中でも特に安いコンビニ価格の危険性です。
良くある500円ランチやワンコインランチと言われるものですね。
500円ランチの危険性
これはライバルがコンビニやお弁当屋さんやファーストフードというのを意識しすぎると陥りやすい罠だと思ってください。
この価格で勝負すると確かにお客さんは沢山来店してくれます。来店はしてくれるんですけど、非常に忙しい割に全然利益が残らないという現象が起きてしまいます。
安いものを商品として使う為には薄利多売という言葉があるように、沢山の商品を売らなければ利益が出ません。
僕がオススメしている小規模の飲食店は規模が小さい訳ですので、当然ながら席数も少なくなってきます。
そしてオフィス街のランチタイムは休憩時間の1時間という制限の中での勝負になってきますのでなかなか回転率が望めません。
という事は一気に忙しくなり、一気にお客さんが居なくなって、残ったのは大量の洗い物と少額の売り上げになる訳です。
コンビニなどが低価格でお弁当を販売できるのは大量生産ができるからであって、個人のお店が低価格ランチを提供するメリットは宣伝効果ぐらいしかありません。ファーストフードなどもテイクアウトで大量の注文を受け付ける事ができるので低価格での経営が成り立っています。
宣伝効果になるとしても良く考えてみてほしんですけど、お昼間に安いからと使ったお店を夜にも使おうと思うかどうかということです。
実際僕も以前働いてたお店で680円のランチを提供したところ、いつもと違うお客さんが来てくれるようになったんですけど、その方達が夜に使ってくれることもなく、今まで1000円でお食事してたお客さんまで680円のランチを食べるようになったりして利益が落ち込んでしまいました。
その後、値段をあげたところ680円ランチを食べにきていたお客さんはもう来なくなったので、やはり値段が安いから来ていただけのお客さんでしたね。
ですから昼間のランチを安くしてお客さんを呼んでも、そのお客さんが夜に来店しようと思かどうかは別問題な訳です。
値段だけのお客さんなら来ないでしょう。
またこの時あなたのお店が気に入って来店しているのであれば、値段が高くなっても通って下さるはずですので低価格ランチにしなくてもいい訳です。
安いランチの使い方
期間限定で行うことでお客さんの注目を集める事もできますし、お店の雰囲気を気に入ってもらえれば常連さんになってもらえる可能性も高まります。お客さんは行ってみたいお店の最初のきっかけを探している場合もあるので一時的にハードルを下げて来店しやすくするのもアリです。
お客さんが初めて行くお店を嫌う理由の一つは失敗したくないという理由ですので、低価格ランチなら失敗しても良いかなと気軽に来店して下さいます。
期間限定や数量限定で利用してみましょう。
またサクラのようにこのランチを使うというテクニックもあるのはあるので一応紹介します。
安いというのはお客さんにとっては非常にメリットになりますので印象に残ります。
ですので安いからと看板などに値段をデカデカと書いてお店にお客さんを呼び込んで、もう少しお金を出したら豪華なランチが食べれると言った風に使います。
低価格ランチを宣伝に使う方法
お店の宣伝にこのランチを使う方法ですね。
これは姑息な手段と思われるかも知れませんが、良くチェーン店などが使ってる方法です。単品の安い値段を外に張り出してお客さんを呼び込み、店内でセットモノに変えてもらい客単価と利益をあげる作戦ですね。
例えば、ラーメン屋さんがあって500円のお店、600円のお店、700円のお店、800円のお店があるとします。
あなたはどのお店に1番行きたいですか? 逆にどのお店に1番行きたくないですか?
と言われた時、判断基準が値段だけだったとすると500円は嫌じゃないですか?
僕は嫌です。どんなものが出てくるのか少し怖いです。逆に値段だけの情報だと800円も少し高く感じてしまいます。
となると700円か600円になってたまに行くなら700円。いつも行くなら600円(この値段もかなり安いですが例えなので)という感じになります。
ただしこの800円ラーメンが期間限定で500円でラーメンを提供するとなるとどうででしょう。行ってみたくなりませんか?僕なら一回行ってみようかなとなります。
そこでかなり美味しければ普通に通うと思います。
逆に500円ラーメンのお店が期間限定で800円でラーメンを提供すると言ったらどうでしょう?僕なら行こうとは思いません。
あくまで僕の感覚ですけど、皆さんはどうですか?
値段だけの情報でなんとなくお店の良し悪しを判断しませんでしたか?
こういった風に値段というのはお店の価値を作るものなので安易に安くするというのは危険な訳です。
そしてランチのようにひとつの注文で完結してしまうものは、安くすると利益が出なくなるので気をつけてください。
小規模な飲食店の場合はお客さんが大量では無いので、値段よりも価値の方が大事になってきます。
そこを考えて通って下さるお客さんが満足出来るものを作ってみてください。