飲食店の開業はどこにお店を出すべきか
どこの地域で勝負するかを決める
今回は飲食店を開業するときに1番迷うと言ってもいい、出店場所について書いてみようと思います。
僕の場合は何にも分からない状態でスッと決まってしまった為、あんまり考えなくても良いよ!!と伝えたいですが、一応ポイントはあるのでお伝えします。
まず自分がどのジャンルでお店を出したいかで出店場所を考えます
例えば、イタリアンレストランをオープンしたいと思った時、田舎の方で出店するのか、住宅街で出店するのか、繁華街で出店するのか、観光地で出店するのか、郊外で出店するのか、高級住宅街で出店するのか、あなたならどんな場所を選びますか?
この時に大事なことはそこの場所にどれだけ自分のお店を欲しがっている人がいるのか想像する事です。
という事はどんな場所でもそこの場所の地域特性を考えないといけません。
ですから田舎だからダメと思った人は要注意です。上手くいく田舎ももちろんある訳ですからね。
つまり需要がある場所ならどこでも大丈夫な訳ですが逆にどんな立地条件が良い場所でも需要がなさそうなら微妙です。
ちなみに家賃やお客さんの数や年齢層が出店場所によって変わってきます。
お店を長く続けていくためには常連さんに通ってもらう事が大事ですので、僕は地域の人がメインな住宅街をお勧めします。
お客さんが付くまでは大変ですが家賃も安いので損益分岐点が低く経営が安定しやすいです。
ただし住宅街でも年齢層が高い住宅街は年数を重ねる程、お客さんの年齢も上がってくるので注意してください。近くに小、中学校がある場所は大丈夫だと思います。
自分のお店を必要とする場所を探す
次に家賃相場が合うところで、あらかじめ出店したいジャンルのお店が存在している場所を探しておくと良いです。
開業したい場所に出店したいジャンルが1店舗でもあるという事は、そこの場所にはある程度の需要があるということが分かりますので、調査しておきましょう。
出したい場所に1店舗も同じジャンルのお店がない場合はそもそも需要が無い場合と、たまたま無かった場合と2通り考えれますので気をつけて下さい。
そもそも需要が無い場所では長くお店を続けていくのは困難です。
需要が無いのか、たまたま無かったのを判断するのはお店を出してみないと分かりませんのでリスクがあります。
またこの時の調査のポイントはマーケットが大きくてライバルが少数、又は弱い事が大事になります。
お客さんが沢山いても非常に強力なライバルがいる場所に同じようなお店を出店するのはリスクがかなり高いので気をつけて下さい。そういう地域は避けた方が無難です。
僕の場合は強力なイタリア料理屋さんは近くにあっても、コース料理主体のお店や、子供が来店できないお店だったのでカジュアル路線は地域の人に求められてるだろうなと判断し出店しました。
つまりイタリア料理は地域の人が好きな料理で需要があるんだけど、ちょっと良いお店が多かったので、家族向けではなかった訳です。
僕のお店は大学が近くにある住宅地なのでカジュアルなイタリアン居酒屋は潜在需要があるけど地域のイタリアンとライバル関係にならないと判断した訳です。
ちょっとややこしく説明してますが、簡単に言うとイタリアンのマーケットがすでに出来てるけど、カジュアルなお店が無かった訳ですね。
周辺調査で目星を付ける
次にあらかじめ出店場所の目星を付けて周辺調査をしておきます。
何故あらかじめ調査しておいた方がいいかと言うと、良い物件というのは物件が空いてから2、3日で契約が決まってしまう為です。
いい場所は誰しもがお店を出したいと思ってますので競争が激しいです。
ですのであらかじめ出店したい場所をイメージしておかないと良い物件が出ても素早い判断が出来ずに他の人に物件を取られてしまいます。
良い物件はスピード勝負です。
また物件を下見にいく場合は、商圏エリアを移動時間10分と考えて調査して下さい。
常連さんになりやすいのは移動時間が大体10分以内(高級店や有名店になればなるほど商圏エリアは広がっていきます)です。
徒歩でも自転車でも車でも移動時間が10分超えるとガクッと常連さんは減ります。(田舎だともう少し時間が伸びます。)
ですので10分以内に自分のお店とジャンルは同じ(イタリアンや和食、中華)のお店がありつつ方向性(定食屋、居酒屋、レストラン、大衆的、高級)が違えば、ライバル関係になりにくいので好ましいです。
下見ではできれば色々な曜日と時間帯、天気が良い時、雨の時などの人通りを調査すると良いです。
人通りを調査する事でお店に来店してくださりそうなお客さんが歩いているか、車の交通量が多いかどうかなどが分かります。
そこで人の流れがどういう方向に向かっているのかを掴むと、看板をどの位置に設置すると目立つなども分かります。
また路地でも人通りの多い路地なのか全く人が通らない路地なのか調査出来ますので、こういった地道な作業は大事です。
地域の将来像を考える
もっと詳しく調べようと思ったら、市役所などに出向いて人口動向(人口、世帯数や男女比、年齢)消費水準、学校の数も調べられます。
商圏エリアの調査では商圏内に飲食店の数がどのくらいあって、どのジャンルが多いかを把握しておきましょう。これで地域の人気のジャンルなどが分かります。
ちなみに若い人が多いと客単価が低いお店(カフェ、ラーメン屋さん、ファミレス)が流行り、年配の方が多いとお値段が少々高くてもゆったりとした落ち着いたお店が流行ります。(レストラン、和食店、お寿司屋さん)
駅の近くは家賃が高いのである程度の回転率が無いと経営が難しいです。お客さんも多いので長居するようなお店より回転率重視のお店の方が(ラーメン屋さんなど)が合っています。
人口が多くても外食頻度の低い地域だとお店の利用率は下がるので、そこも考慮して下さい。外食頻度が低い地域では宣伝をしっかりしないとお店になかなか行こうとは思ってもらえません。
これは人口に対する周辺のお店の数と実際のお店にどの位お客さんが入ってるかで分かります。週末など、どこのお店も流行ってる地域は外食頻度が高い地域と言えるでしょう。
またお店を出す場所で大事になってくるのは将来その場所がどう発展していくかどうかを見極める事です。
例えば商業施設の近くにお店を出した場合、その商業施設が流行ってる間は安泰ですが、もし経営不振や移転、閉店などをしたらお客さんも一緒にいなくなる場合があります。
逆に近くに駅が出来たり、大きなマンションや会社が出来た場合は、お客さんも一緒に増えていきます。
僕のお店は京都造形芸術大学と京都大学が近くにあり、学生さんの需要は毎年変わらずに安定しています。
ちなみに学生さん達は卒業した後もたまに顔を出してくれたりするので嬉しいですよ。
実際の調査で分かった事
僕は自分のお店の物件が決まった後に毎日のようにどのお店が流行っていて、どの時間帯が賑わってるかなどの調査をしました。
そこで分かったんですが、お昼間はお店にお客さんがいるけど、夜はガラガラなお店が多い事です。
これには正直焦りました。
お昼間の賑わいで夜も賑わってる町なイメージを持っていた為危なかったです。
そこでお店の方向性を少し学生さん達寄りに修正しました。
また調査でカウンターがあるお店が流行っている傾向も掴めたので、積極的にお客さんと喋る事が大事な町だと分かりました。
こういった情報は自分で調査しないと分からないので、ぜひ事前に調べておく事を勧めます。
出店してから気付くのと半年前に気付くのでは事前対策が変わってきますので、かなり重要です。
また地域の流行ってるお店に出向いて、お食事をする事も重要です。
(僕はなんだかスパイ活動してるのが後でバレるのが嫌な為してません)
流行ってるお店を調査する事で、実際の雰囲気や値段、品質などがチェック出来ますので是非して下さい。(僕が言うのもなんですが)
という感じです。
飲食店にホームページを導入してブランド力を高めよう
こちらにも僕がイタリアンバルを開業した理由と、自分が住んでみたい場所に出店した方がいいかも知れない理由など書いてますので、よかったら見てみてください。
あなたがここにお店を出して良かったと思える場所に巡り会える事を願ってます。